大学受験対策の小論文添削を数多くしてくる中で、出会ったよくあるミスをまとめました。
せっかく良い内容を書いても、こうしたミスは減点となってしまいます。起こさないよう気をつけましょう!
原稿用紙の使い方が間違っている!
第1は、原稿用紙の使い方です。特に、以下のミスによく出会います。
①新しい段落のスタートに「1マス下げ」ができていない
⇒このブログもそうですが、パソコン上での表現と原稿用紙の使い方は違います。1マス下げて下さい。
②文頭に「、」や「。」、そして、”」”がきている
③数字(1マス2数字)、アルファベット(大文字1マス1字、英単語1マス2文字)の記載ミス
⇒小数点は半マスです。つまり、1.46は2マスで表記します。
④訂正が正しくできていない(1文字消すときは「×」、2文字以上は二重線で消す)
⑤挿入が正しくできない(きちんと、挿入記号を使ってください)
⇒④や⑤は、手書きですからやむを得ず訂正する際には、正しくしてくださいという意味。
⑥「」・『』・()の使い方がバラバラ
⇒「」は何かの引用、他と区別した表現、雑誌などに発表した作品名(おそらく会話文は書かないだろうが、万一に書く場合も「」である)。『』は書名。あとは「」内に引用がある場合。()は補足情報(出典など含む)。
誤字脱字をしている!
最近、パソコン・スマホ漬けだからなぁという言い訳は大学受験において通用しませんので、漢字の学習をしておきましょう。お薦めの学習法は、次の3つです。
- 漢検や大学受験用の漢字対策本を用いて学習する。
- 小論文の対策本にある模範解答を読んだ時に、書くのに不安そうな字を練習する。
- 自分の書いた文章を自分で校正するときに、誤字脱字している漢字を練習する。
後は、不安なときは、違う表現で逃げることも大切です。たとえば、「教育学部で教員を目指すあなたにとって、理想の教師像は?」という課題に対して、自分の主張として「子ども・保護者・同僚の期待に応える教師」という文を書きたいとしましょう。そして、この時、「期待」の「待」の字が自信ないという情けない状態だったとします。
これはかなり情けないですけれど、もし間違った漢字を書けば減点です。しかも、これが自身の答えとなる核心部分の場合、複数回書きそうですから何回も間違ってしまうかもしれません。このようなリスクを犯すくらいなら、同じ意味となるニュアンスを選んだ方が良いでしょう。
この場合ですと、「子ども・保護者・同僚の求めていることに応えられる教師」とか、もう少し意訳して、「子ども・保護者・同僚から信頼される教師」とかにしてしまうのです。
事前の漢字学習と、上記の工夫で誤字脱字をしないようにしましょう。
つたない表現がみられる
たとえば、私が添削でよく出会ったミスをあげると以下です。
①常体(「だ・である」体のこと)と敬体(「です・ます」体のこと)が入り混じっている
⇒加えて申しますと、常体で書きましょう。
②文頭に「なので」(↓たとえば以下の例文です)
例;私は努力家で親身に人と関われる人間だ。なので、粘り強く子ども達とも関わることができる。
ちなみに、文頭にくる「なので」が駄目ということです。下記は大丈夫です。
例;私は努力家で親身に人と関われる人間なので、粘り強く子ども達にも接することができる。
③「僕」や「自分」などの一人称がみられる
⇒特に、体育会系男子高校生に多いミスです。部活ではないので、「私」でお願いします。
④身内表現が間違っている
⇒「お母さん」は「母」、「おじいちゃん」は「祖父」のようにオフィシャルな表現でお願いします。
⑤「たり」「とか」を二連続で使っていない
例;学生時代はボランティア活動をしたり、家庭教師をして子どもと関わった。(×)
⇒学生時代はボランティア活動をしたり、家庭教師をしたりし子どもと関わった。(〇)
⑥近接同語表現がみられる
⇒近いところに、同じ言葉が続くと、重たい表現になっているので避けましょう。例えば、「ベーシックインカムへの考えを書け」と課されて、ベーシックインカムという言葉がどの文章にも入っていると、その話題に決まっているのに入り込みすぎて重たいなぁとなるわけです。これは避けましょう。
⑦「思う」の連発(文末が同じものばかりは×)
⇒これは心情語です。小論文という「考えた」ことを書くのに不適当です。
⇒ちなみに、「考えた」連発も文末の一本調子という観点からも、考えたこと書くに決まっているやんという指摘からも避けた方がいいでしょう。なお、一本調子という観点からでいうと「である」「だった」の連発も避けましょう。
⑧「〇んな」を使っている
例)そんな、こんな、あんな、いろんな ⇒ そのような、このような、あのような、いろいろな(様々な)
まとめ
以上、私が添削でよく出会ったミスを、原稿用紙の使い方(7項目)、誤字脱字(1項目)、つたない表現(8項目)に分けて、15項目お伝えしました!
自身が小論文を書くたびに推敲をして、こうしたミスをしない自分にクセづけてください。応援しています。