大学受験小論文 抽象題が出たときの取り組み方

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皆さんは、大学受験小論文において、抽象題が出たときはどのように対策していますか。

今回のブログ記事は、抽象題への対処法をお伝えしています。よろしければ一読いただき、参考ください。

なお、一部において、拙著を用いています。

そもそも抽象題とは?~その困難性と共に~

大学受験の小論文における抽象題では、1つのワードだけを提示して書かせるような形で出題されることが多いです。例えば、「手という言葉から連想されることを書きなさい」などのようなお題です。

これに対し、抽象題ではないものとは、「現代は、地域社会の紐帯(結びつき)が薄らいでいると指摘がなされる。これがもたらす危険性とその緩和ないし解消策を書け」のように、はっきりとした課題が与えられているものを指します。

ある程度、小論文に出題されそうなテーマを学習していると、この抽象題でない課題の方が書きやすいと思われます。なぜなら、学んだ知識を基にして書いていけば良いからです。

しかし、抽象題は、何を捨象化あるいは抽象化してこの1ワードにしたかが判然としていません。先ほどの「手」を例を使えば、より上位の抽象化の次元は身体といった可視化されたものなのか、ツ部を部首とする漢字の話なのか、あるいは違うものなのか、よくわからないということです。

言い換えると、どのような文脈で「手」を出題したのか、もっとかみ砕くと、なぜ「手」について聞いてきているのかが多義的で、書く内容選びに躊躇してしまうわけです。

取り組む上での前提となる考え方

では、抽象題はどう取り組めば良いでしょうか。

この答えを知る上で、そもそも、大学受験における小論文には非明示化されたルール(出題された文章の中には書いていないこと)があることにまず気づいて欲しいと思います。

明示化されたルールとは、「日本では人口減少社会が続いているため、労働力不足の指摘がされている。この課題にどのような対処法があると考えるか述べなさい。解答は、配布した原稿用紙に記述すること。制限は、60分800字以内である」というときの、「労働力不足への対処法について書く」、「原稿用紙に記述する」「60分と800字以内という制限がある」といった、読んで書いてあるルールのことです。

これに対し、非明示化されたルールは、書いていないルールを指します。例えば、上の課題が、理工学部で出された場合と、国際関係学部で出された場合において、書いた方が良い意見は変わってくるはずです。

具体的には、理工学部ならAI搭載のロボットのより良い普及策などの記述を通じて、人の労働力代替への可能性を言及した方が良いでしょう。他方、国際関係学部などでは文化的な摩擦を解消する工夫を施しながら、より一層の外国人労働者の受け入れ可能性を言及する方が望ましいでしょう。

現実には、こうした色々な角度からこの問題は対処が測られます(例えば、一億総活躍として女性を家庭から労働市場に呼び戻したり、70歳まで労働できるようにしたりなども上記と並行して行われていくでしょうということです)。ただ、自身が書くときの中心は、自身の学ぶ学問特性からみた解決策を中心に書いた方が良いわけです。

これは、別に試験の出題文には書いてありません。しかし、受験という選抜要素を考えると、受験生は採点官に対して、学ぶ意欲・関心があることを示した方がベターとなります。この部分を私は非明示化されたルールと呼んでいます(なお、募集要項で求める学生像に必ず、学ぶ意欲・関心に類似した言葉が入っていることから類推できるルールともいえます)。

結論~自身の大学への学びに関連することを述べよう~

さて、以上の議論から、導かれることは、抽象題も非明示化されたルールを根拠に、学部特性を意識した解答をつくりましょうということです。

以下に、拙著p58にこの点を詳しく述べた部分があったので掲載します。

『大学受験小論文への向き合い方が身につく本』(三恵社)p58より

ということで、与えられた抽象題を、学部特性を踏まえて連想して書いていきましょう。

なお、筆者は、小論文の個別指導をオンラインで行っています。自身の志望大学ごとに出題のされ方は異なりますので、自分の大学に合った指導をして欲しいときは、ご利用を一考いただければと思います。

今回も、読了ありがとうございます!

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